デバッグ・チュートリアル

目的

はじめての人でも楽しく効果的にデバッグ作業を行えるよう、その手順を整理したものです。

一時的にプロジェクトに参加する人を想定して、個々の作業の最適化よりも、ルールと導入の簡易さを優先して設計しました。

準備

ツール

ソフトウェアは、Win版かMac版のGoogle Chromeを使用します。

ウェブサービス、Trelloというウェブサービスを使用します。

  1. アカウントを作成する
  2. アカウント名を開発担当者に教える
  3. 開発者からデバッグ専用のTrelloボードが共有される

以下のプラグインをGoogle Chromeにインストールしてください。

Trello Card Numbers
チケットに番号が付与され議論しやすくなる
CardCounter For Trello with Totalizer
チケットの数が表示され量を把握しやすくなる 

<編集中>

trelloボード上でラベルをクリックすることにより、文字を表示されることが出来ます。

絵 befor + after

</編集中>

ROMの取得と実行

ROMとは本来は (Read Only Memory) の略ですが慣習で、
実機 (携帯端末やコンソール機) にインストールすれば、
そのまま動作する1つのファイルを指します。

開発者から以下のものが案内されます。不足の場合は開発者に指摘してください。

  1. デバッグで使用するROMの実行環境
    1. 例:iPhone, Android, Nintendo Switch, ノートPC等
    2. PC版の場合は、デバッグ作業者のPCでの実行をお願いすることもある
  2. 最新のROMがダウンロードできる環境
    1. TrelloのチケットにURLを記載する予定
    2. ROMを実機にインストールし、起動するかどうか確認する
  3. 開発資料の共有
    1. デバッグキーがまとまった資料
    2. 基本操作がまとまった資料
    3. Trelloのチケットに記載をする予定
  4. 連絡手段
    1. 例:Slack, Chatwork, Line, メーリングリスト等
    2. Trelloのチケットのコメント機能を活用する予定

作業フロー

デバッグ作業は、2名体制で2日〜5日行うことを想定しています。

仮説フェーズ

まずは実際にゲームを一通り遊んでみて、全体の仕様を把握します。どこで不具合が発生しやすそうなのかを話し合って、検証する項目をリストアップします。通常は1日で行います。検証フェーズの状況を見て、再度、仮説フェーズを行うこともあります。

検証フェーズ

自分たちでリストアップした項目について、不具合が起きないか確認をします。見つかった場合は不具合を報告し、開発者に修正してもらいます。(1〜2日くらい掛かります)修正後、それを改めて確認し、問題がなければ完了です。

修正後、勘違いで直っていないのに修正済みにしたり、
報告の意味を取り違って別の修正をしたり、
修正により別の場所で不具合が発生することが多々ありますので、
しっかり確認しましょう

バグブレストについて

最低2名で、ゲームのどの箇所にバグが潜んでいるか、ブレストを行いましょう。

典型的なバグをまとめました。ブレストのヒントにしてください。

グラフィック 地形のグラフィックの一部が欠けている
シーケンス
倒したはずの敵がまた出てきた
シーケンス
先に進むためのアイテムが途中で紛失し、進行不能になる
シーケンス メニューで選択したステージと別のステージに入る
テキスト
キャラクターのセリフに誤字脱字がある
テキスト 言語を英語にすると、一部の吹き出しに文字が収まらない
システム
たくさんの敵が出てきたときに処理速度が落ちる
システム 画面の2つのボタンを同時に押すと、画面がフリーズする
システム 何度もリスタートすると画面がフリーズする
サウンド
BGMが切り替わる瞬間にブツッというノイズが混じる
保存 セーブ中に電源を切ると、セーブデータが破壊されている
端末 ゲーム中に通知機能が出てきた場合、強制終了される


優先的に修正すべきバグ

ゲームが止まったりクリアができないなど進行不能になるバグは通称「Aバグ」とし優先度を高くして修正します。それ以外は「Bバグ」とします。

チケットの運用術

全体の流れ

trelloの作業フローは基本として左から右に流れていきます。
※ 「連絡」等、例外もあります。

 

各、列(横)により状態が分けられ、それぞれにチケットが収まります。

連絡
全ての人 ROMの受け渡しや、連絡用チケット
調査リスト
デバッグ作業者 バグブレストで出た調査すべき項目
新規発見
デバッグ作業者 調査リストに基づき発見した新しい不具合
修正済(ROM反映待ち)
開発者
不具合を修正した場合はこちら
確認依頼
開発者
当日のROMに反映され確認可能な状態
再発
デバッグ作業者

不具合が直っていなかった場合

=>修正出来たら、修正済(ROM反映待ち)へ

完了
デバッグ作業者
修正がされていた
保留
開発者
そもそも不具合でなく仕様であったり、修正が困難な場合

サンプルとして公開ボードを作成しました

検証項目のリストアップ

  1. ゲームのシーンごとにチケットを分けます。シーンの区分が分からない場合は、開発者に聞いてみてください。
  2. リストアップした日毎にチェックリストを作り、検証すべき内容を記述します。検証が終わったらチェックをします。

不具合報告

  1. 20字程度で概要を書きます。
  2. 「説明」により詳しい情報を書きます。
    1. 詳細:どこで、何をしたら、何が起こったのか
    2. 手順:開発者が再現するための、おすすめの手順
    3. 頻度:毎回発生するのか、たまにしか起こらないのか
    4. 環境:使っている端末と、確認したROMのバージョン
  3. 不具合の種類によっては、画面のスクリーンショットがあると、理解の助けになります。

    画面の撮影に関して

    共有のスマートフォンを提供します。

    端末にはtrelloのアプリがインストールされておりtrelloボードにアクセスできるようになっていますので、ゲーム画面を端末のカメラで撮影し、該当のチケットに添付をしてください。

    連絡用チケット

    1. 20字程度で概要を書きます。
    2. 「説明」により詳しい情報を書きます。

    更新情報

    1. 2020/02/20 初稿